「えっ、何?」

「そこの引き出し開けてくれるかなぁ」

「うん」

「そこに青色の箱あるよね」

「うん」

「……あげる」

「いいの? これって男子が夢中になって集めるようなカードだけど」

「今、水嶋にあげれるものは、こんなもんしかないから……」

「――ありがとう」

力也はまだ力強く水嶋の手を掴んでいた。ふと、その事に力也が気付き、右手をベットの中に潜らせた。

「今、ベルの音が聞こえなかった?」

突然、水嶋が力也に尋ねる。