『箒星の組み紐』

「うんん、そんなことないから」

「いや、最近、おかしな感じだったし、水嶋が僕をかばってから……」

「……」

「全然わたしは大丈夫だから、高橋君は足の怪我をしっかり治してね」

「……」

「今日はクリスマス・イブだね。高橋君にクリスマスプレゼントを持ってきたの」

「プレゼント!」

「うん、気に入ってくれるか自信はないんだけど、はい、これ」

「めっちゃ嬉しい! ありがとう! 今、開けていい?」

「うん!」

「これって……黒皮の手帳やん! めっちゃ高いんとちゃうん?」

水嶋は黙って微笑んだ。

「わっ! 一月から学校の予定が書き込んでいる! 水嶋、水嶋さんが書いてくれたんだ」

「うん、高橋君に一日でも早く学校に来て欲しいから」

「えっ」

「あっ」

「…………」

「…………」