あたし達は急ぎ足で教室へ戻った。


あたしは学級委員なので、


チャイムの後に教室には入れない。


表向きは‘生徒の鏡’でなきゃいけない。


誰かに言われたわけじゃないけど、


あたしが思う【学級委員】って


そういうものだと思ってた。


ユカとは仲が良いけど、


キャラ的には真逆なあたし達。


だから、


先生達に少し不思議な顔をされることも


度々ある。



「ごめん、ユカ。
 先、教室行ってるね。
 ユカのことはフォローしておくから
 気ままにおいで」


あたしは小走りをしながらユカに言った。



「はぁい」



ユカはそれだけ言って


歩くスピードを落とした。


良いポジションに彼女は居るのだ。


それが、


羨ましく思うこともある。