秘密の片思い 番外編②

「ただいま」



玄関でいつもより疲れた郁斗の声がした。



「お帰りなさい　お疲れ様」



すぐに玄関に行きにっこり迎える。



郁斗は玄関に座りスニーカーを脱いでいるところだった。



「疲れているみたいだね？　練習、大変だった？」



「疲れていないと言ったら嘘になるけど、好きなことをさせてもらって疲れたなんて言うのは良くないよな？」



「そんなことないよ　身体をはって働いてくれているんだから」



郁斗の身体はいつも心配している。



運動選手の妻なのだから、健康管理をしっかりしなくちゃと、いつも思っている愛だ。



「それに年俸も良いから贅沢させてもらっちゃってる　身体が資本なんだから疲れている時はゆっくり身体を休めないとね？」



リビングに入りながら言うと、郁斗を見ると少し後ろで立ち止まっている。



「どうしたの？」



小首を傾げて郁斗に聞く。