「愛、ありがとう」



「いきなりどうしたのっ?」



突然、抱きしめられて感謝の言葉に愛は戸惑う。



「色々あっただろう?それに日本を離れ、イタリア、スペインの生活 苦労かけることばかりで気になっていたんだ」



郁斗のスッと通った鼻に愛はキスを落とす。



「そんな事気にする必要はないの 外国で暮らせる機会なんて普通はないでしょ?いろいろな事を経験させてもらって毎日が楽しいの だから気にするなんてやめて」



笑顔を向ける愛に、もう一度郁斗は強く抱きしめた。