竜を狩る者

由羽が見つめているのは地面。

軟らかな土に、くっきりと足跡が残っている。

三本指、鋭い爪の食い込んだ跡。

この足跡の深さからすると、相当な大きさの体躯を持つ生物のようだ。

意見を求めるように、瑞樹の顔を見る由羽。

言葉を発するまでもなく、瑞樹も頷いた。

間違いない、アンフィスバエナの足跡だ。

足跡の感じからするに、まだ新しい。

この周辺に、奴はいる…!

そう考えた途端に、瑞樹は総毛立つような感覚を覚えた。

いよいよだ。

いよいよ憎き仇に遭遇できる。

何年も…何年も待ったのだ。

遂に、弟の無念を晴らす事が出来る…!

そう思うと、高温多湿も群がってくる蚊の群れも、全く気にならなかった。