竜を狩る者

「獣道と呼ぶにもおこがましいわね」

瑞樹が愛用の剣で足元の草を刈りながら言う。

その後に続く由羽も、草むらに潜んでいた蚊に悩まされているようだ。

密林の洗礼。

自然界の住人ではない瑞樹と由羽を、まるで拒絶しているかのようだ。

だがこういった困難に耐えるのも狩猟者には必要な事。

この程度で音を上げているようでは、アンフィスバエナのような希少な双頭の竜には遭遇すらできない。

数の少ない希少種の竜種ほど、人間が踏み入りにくい苛酷な自然環境の中に生息している。

そういった事も考慮して、ギルドの依頼書はランク付けされているのだ。

…やがて。

「見てくださいぃ、瑞樹さぁん」

突然草むらの中にしゃがみ込んだ由羽が、何かを見つけた。