竜を狩る者

大型ナイフが通じないと見るや、コウは素早く得物を持ち替える。

ホルダーから抜いたのは小型の投擲用ナイフ。

しかし大型ナイフですら弾き返したワイバーンの鱗だ。

ただ投擲したのでは結果は同じ。

ならば。

「ここねっ!」

コウは大きく振りかぶって小型ナイフを投げる!

狙ったのはワイバーンの翼、その皮膜!

如何に全身鱗に覆われたワイバーンであろうと、翼は皮膚の延長に過ぎない。

小型ナイフはその皮膜に突き刺さり、僅かながら流血をもたらした。

が…。

「うわっ!」

ナイフの命中などものともせず、大きく羽ばたくワイバーン!

その突風でコウは吹き飛ばされ、地面を転がる。

小型ナイフが刺さった事など気づいてすらいない。

ワイバーンは、まるで蚊に刺された程度にしか感じていないようだった。