「お?」

腰までの長いポニーテールの少女が、空を見上げる。

根本がレモン色で、そこからオレンジ色までのグラデーションの髪。

瞳は新芽の色。

まるで春から初夏を思わせるような、爽やかな印象を受ける。

白い肌に日差しが眩しく反射する。

若々しい生命力に満ち溢れた少女。

しかし少女が纏っているのは流行のドレスではなく、戦闘用の軽装の革の鎧であった。

「ワイバーン!や、違うかな。あの大きさだとリントヴルムかな」

まだ狩猟者としては修行中の身。

竜種の見分けにも若干戸惑いが見られる。

「リントヴルムはちょっと早いかな…もう少し経験を積んで、ワイバーンからだね」

そう言って少女…コウ・レイミは草原を駆けた。