竜を狩る者

まだ街から離れて一時間程度しか経っていないというのに、突然の遭遇!

この大陸が人間のものではなく、野生動物達のテリトリーである事をまざまざと見せ付けられる。

ここは人間の領域ではない。

人間が自然の一部を間借りしているに過ぎないのだ。

愕然とするコウの目の前で、ワイバーンは翼を羽ばたかせて滞空する。

そして長い首をキョロキョロさせて品定めしつつ。

「!!」

先程母牛の乳を吸っていた子牛に狙いをつけた。

強靭な二本の足で子牛を掴み、そのまま体重をかけて押し倒す!

悲痛な声を上げる子牛。

しかし牛の群れは逃げるばかり。

母牛ですら、ワイバーンから我が子を助け出す事はできない。

この大陸において、竜種は絶対的な王者。

たとえ大型肉食獣であっても、竜種に立ち向かって勝てる保証はない。

力では、竜種に勝てる生物など皆無なのだ。

もし竜種に勝てるとしたら。

「こんのぉおぉっ!」

知恵ある人間のみ!