竜を狩る者

街から一時間ほど歩いただろうか。

草原の真ん中にポツリポツリと、動物の群れが見え始めた。

野生の牛だ。

この大陸は竜種のような特殊な生物が生息する反面、他の生物に関しては一般的な動物と然程変わりがない。

どこの土地でも見かけられるような生き物が多数見受けられた。

まだ生まれたばかりの子牛が、草を食む母親の乳を吸っている。

「あは♪かわいー♪」

思わず顔をほころばせるコウ。

牛達も食事をしている事だし、自分もここらで小休止とするか。

一本だけ草原に生えていた樹木の木陰に入り、大きな革袋を背中から下ろす。

ググッと伸びをして、竹筒製の水筒を手にした時だった。

「……!」

大気が変わった。

そよぐ風が乱れる。

降り注いでいた陽光が遮られる。

思わず見上げるコウ。

そこには。

「ひゃあっ!」

大きな翼を広げて舞い降りてくる、一匹のワイバーンの姿があった!