竜を狩る者

「それに…」

女性はチラリとコウの顔を見る。

「コウ…貴女ソロでワイバーン狩りに行くつもりでしょ?」

単独での狩猟行為を『ソロ』、仲間と協力しての狩猟を『パーティー』と呼ぶ。

大抵の狩猟初心者は、まず初心者同士でパーティーを組み、狩りに慣れる事から始めるのが普通だった。

この大陸で生態系の頂点に立つ竜種が相手ならば尚更だ。

しかし。

「ねぇ」

コウは受付のテーブルにドンッと両手を置く。

「私がこのギルドで何て呼ばれてるか知ってる?」

「……」

女性は半ば説得を諦めたように溜息をつく。

「無理は禁物よ?危険だと思ったら依頼達成していなくても帰還するようにね?『今年度のスーパールーキー』さん」

Cランクの『ワイバーン討伐』依頼書に『受注確認』の捺印をする女性。

かくして、コウの人生初の竜種討伐が始まったのである。