まだ若いのに、何か病でも患っているのだろうか。

それとも狩りによる怪我?

見た所、健康そのもののように見えるが…。

あまり勘繰るのも良くない。

しばし黙っていたラムダに。

「もう…のぼせたので…出ます…」

たどたどしいような言葉遣いで、肩まで浸かっていた少年が立ち上がる。

「っ…」

その姿を見て、ラムダは一瞬息を飲む。

少年…サンには、左腕の肘から先がなかった。

竜種にでも食い千切られたのか。

それとも別の原因か。

(悪い事を訊いてしまいました…)

好奇の視線を向けてしまわないように。

ラムダにはそれが精一杯だった。