その夜。

ムシュマッへの襲撃にも何とか破壊されずに残った大衆酒場で宴が催された。

誰もがムシュマッへの討伐を喜び、その討伐に尽力した八人の狩猟者達を称え、歌い、踊る。

…狩りは戦争とは違う。

人間も竜種も、生きる為に他者を狩り、生きる為に他者の命を糧とする。

故にそこに怨恨などなく、むしろ仕留めた敵に感謝の念すら覚える。

狩猟者達の狩りとはそういうもの。

仇討ちの為に、亡き両親の遺志を継いで。

人それぞれ目的はあるだろうが、討伐を達成して残るのは命を賭して戦い、己の命を繋ぐ為に他者の命を食する、その恩恵への大自然への祈りだった。