竜を狩る者

となると、直接攻撃のみでムシュマッへにダメージを与えるしかない。

瑞樹と由羽が、己の得物で必死に攻撃を加える!

巨体を持つムシュマッへだ。

懐に入り込むのは難しくなかった。

しかし、体格に比例して体力も尋常ではない。

「何なんですかぁっ、もうこんなに斬りつけているのにぃ」

由羽が弱音にも似た言葉を吐く。

彼女の長大な刀は、大型竜種討伐用のものだ。

重量と切れ味で、巨大な竜にも有効な攻撃を与える事ができる。

が、このムシュマッへの巨体はあまりにも規格外。

由羽の刀でも致命傷を与える事は難しい。

「手数で押し切るしかないわ!根気よくダメージを与え続けるのよ!」

瑞樹が由羽を励ます。

瑞樹の黒剣は二本一組。

由羽の刀とは逆に、一撃の威力は然程でもないが、連続攻撃によってダメージを蓄積するタイプだ。

左右の刃を以って、ひたすらに斬り付け続けた。