竜を狩る者

ムシュマッへの七つ首は、狼狽したようにうねっていた。

立ち向かってくる。

あんな小さな体の生き物達が、この大陸の生態系の頂点に立つこの竜種たる自分に、立ち向かってくる。

大した力も持たぬのに。

足りぬ力を連携で補って。

自らの知恵と勇気を以って、劣勢を覆そうとしている。

事実、圧倒的な巨体をもつムシュマッへが、狩猟者達の攻撃によって僅かずつではあるがダメージを受けていた。

今すぐどうこうなるような傷ではない。

だが長引けば、確実に蓄積されるであろう傷。

しかし…。

ムシュマッへに焦りはなかった。

やがて狩猟者達は知るだろう。

このムシュマッへが、並みの竜ではない事を…。