竜を狩る者

ギルド本部から受付の女性を助け出し、瑞樹と由羽は建物の外に出る。

どうやら彼女達以外にも、あの七つ首の蛇竜に立ち向かっている狩猟者がいるらしい。

「よかったですぅ…私達以外にも無謀な人がいるんですねぇ…」

ほんわかとした笑みさえ浮かべて長大な刀を抜く由羽。

「勇気があるって言ってくれない?」

苦笑いしながら瑞樹も黒剣二本を抜剣した。

勿論彼女達とて逃げる気はない。

今度の討伐は、アンフィスバエナの時のような『復讐』の戦いではない。

守る為、そしてこの大陸に住む命ある者としての『生存』の為の戦い。

「いきますよぉ、瑞樹さぁん」

「遅れちゃ駄目よ、由羽!」

赤い瞳の二人の剣士は、躊躇う事なくムシュマッへへと挑んだ!