竜を狩る者

城塞都市のほぼ中央に位置する高い時計塔。

その最上階でラムダは弓を構えていた。

彼の射手としての腕ならば、確実に狙い撃てる距離だ。

そんな彼の動きを見ながら。

「解毒が済んでから弓の腕前上がったんじゃない?アイツ」

フューリーはソーサーシールド片手に走る。

目を潰され、今ならムシュマッへには気取られない。

十分に接近して。

「これでも食らいな!」

丸鋸のような円盤を繰り出す!

重さと速さ、回転という三つを兼ね備えた円盤は、ムシュマッへの胴に直撃!

鱗を砕き、肉を引き裂く!

ズメイには大きなダメージを与えた、超重量級に分類される武器。

しかし。

「ちっ」

フューリーはソーサーシールドを鎖で引き戻して顔を顰める。

「流石に一撃って訳にはいかないわね」