竜を狩る者

「冗談じゃないわよ、七つ首の竜種なんて!」

ラムダの家。

ソーサーシールドを手にしたままフューリーがまくし立てる。

その横では、ラムダが細く白い腕に注射器をあてがっていた。

…針を通して、体内に注入される薬品。

ズメイ討伐によって手に入れた毒を利用して作った血清だ。

本来ならばラムダの体内の毒が中和されるまで安静にしておかなければならないが、そうも言っていられないだろう。

「僕らもいきましょう、フューリーさん」

ラムダは机の上に置いてあった弓と矢を手に取る。

「あの竜種を街から追い払わなければ、この大陸に住む人々は全滅します。ギルドの依頼じゃないから只働きになるけど、いいですね?」

「……仕方ないわね」

軽く舌打ちして。

フューリーはラムダと共に建物を出た。