「防具も身につけてねぇ、みすぼらしい狩猟者がその依頼を受けるつもりかぁ?」

身なりでしか相手の技量を判断できない。

浅はかな狩猟者は男を笑う。

「てめぇみたいなヒヨッコは、ワイバーンでも手に余るぜ。身の程を弁えて兎狩りでもしてな!」

ガハハと嘲笑う狩猟者。

その喉元に。

「!?」

刃が突きつけられる。

目にも止まらぬ速さで抜剣した若い男が、狩猟者に突きつけたものだった。

右手の逆手持ち。

斬撃に特化した握りだ。

左手に依頼書、右手に剣を握ったまま。

「ワイバーン?」

若き狩猟者、ローゼンは薄く笑った。

「素手で瞬殺だ…兎狩りより簡単だな」