これではブレスどころではない。

柔らかく弱い喉の奥を突き刺されて悶絶するニーズヘッグ。

「小僧、お前勝手な真似を…!」

だが、ニーズヘッグにトドメを刺すきっかけを作った彼に密かに感謝しつつ。

ローゼンは残るもう片方の剣を手に、目の前の巨竜に突撃する!

サンが内側を傷つけたのならば。

「俺は外側から斬る!」

ニーズヘッグの首を撫で斬りにする、ローゼンの右手逆手持ちの刃!

内と外から斬られ、貫かれ、流石のニーズヘッグも一溜まりもない。

その巨体をゆっくりと傾かせて。

ニーズヘッグは、ローゼンとサンの目の前で骸を晒したのである。