絶好の好機だった。

ニーズヘッグの苦手とする懐に入り込んだローゼンが、再度左右の剣で連撃を叩き込む!

刃が閃く度に刻み込まれる刀傷。

漆黒の鱗が次第に紅に染まっていく。

それを嫌って、またも大きく顎を開くニーズヘッグ。

得意の炎のブレスを直撃させるつもりだ。

「させない…!」

サンが機転を利かせて縄を操る!

彼の放った縄は、ローゼンの左手から剣を一本奪う!

そしてその剣を絡め取ったまま、ニーズヘッグの口の中へ!

鋭い切っ先が、ニーズヘッグの喉の奥を貫く!