竜を狩る者

由羽に話しかけられて振り向く黒い甲冑の狩猟者。

「あらぁ…?」

そこではじめて由羽は気づく。

黒い甲冑、左目の眼帯。

どことなく男勝りな出で立ちをしていたので『お兄さん』などと呼んでしまったが、その狩猟者は女性だったのだ。

しかも由羽と然程歳の変わらない少女。

由羽が15歳だから、一つか二つ年上といった所か。

驚くほどの美貌を持つその女性狩猟者、沢田 瑞樹(さわだ みつき)に由羽が目を奪われたのは。

「貴女も私と同じなのねぇ…」

瑞樹もまた、由羽と同じ東方出身の人間だからに他ならなかった。