「どうしたの?」



「いや、だって…」



“手を繋いだまま教室に戻ること。”



それは、告白の返事は見事OK。あたし達、お付き合い始めました。って公言してるも同然。



優斗の戸惑いは、もう後戻り出来ないよ、っていう、あたしへの最終警告。



でも、これでいい。



きっと…ううん。絶対、これが正解。



「いや、だって奈緒!」



「いいの。」



「でもっ!」



「ね?行こ?」



「………はぁー。」



そんな警告を無視し、ガクッと肩を落とす優斗を見上げながらニコッと笑みを浮かべたあたしは、「もう、しらねー。」と、溜め息混じりに呟く優斗の手を更に強く握り締めると、教室へ向かって歩き出した。