片恋★パンドラボックス

「……ん。」



どれぐらいそうしてたんだろう。発車と同時に目を瞑り、ガタンガタンと電車に揺られ、ふいに目を開ければ上りの電車とすれ違った。



「あっ…」



窓の外には見慣れた景色。



電車は徐々に速度を緩めてく。



………もうすぐ駅に着く。



フルフルとまるで犬のように頭を振ったあたしは、あっと思い出したかのようにバックを開けると中からケータイを取り出した。