片恋★パンドラボックス

『おーい。奈緒ー!』と電話の向こうで声がするけど、とりあえず無視。



「今の…ほんと?」



「残念ながら……事実です。」



「………ありえない。」



いつの間に移動したのか、あたしのすぐ後ろ、ベッドの上で胡座をかき本当に残念そうに呟く優斗を見上げながら、ははっ…と乾いた笑みを浮かべたあたしは、



「さようなら。」



『は?』



そのままブチっと電話を切ると電源を落とした。