『奈緒ー!やっぱアイツがいいのかー?若い方がいいのかー?にーちゃんだってまだ…』



「おにーちゃん…」



『あ?』



「なんで優斗の番号知ってんの?」



『は?』



そう。とりあえず今はこれが一番知りたい。
おにーちゃんと優斗に接点はない。ってか、あるわけがない。なのに、



「なんで…」



『うっ…それ…は…』



「奈緒ちゃん。それはね、3日前に優斗くんのバイト先にやってきたおにーちゃんが、突然優斗くんに“ケータイ出せ”って脅して勝手に赤外線通信。番号とメアドを奪っていったからだよ。…ね、優斗くん?」



「は?」



瞬間、頭の上から聞こえてきた衝撃の事実に危うくケータイを落としそうになった。