「奈緒ちゃーん。ごめーん。」



「許さない。」



「奈緒ちゃーん。機嫌直してくださーい。」



「しらない!」



「奈緒ちゃーん。優斗くんも反省してるよー。ねっ、優斗くん?……うん。」



「いーや!」



そっぽを向いたままのあたしの隣では、チャッピーを抱きながら1人芝居をする優斗。



「奈緒ちゃーん。チャッピーね、ウサさんだから構ってくれないと寂しくて死んじゃうのー。」



「しーらーなーい!」



「ほら、優斗くんも反省してるって!ねっ、優斗くん?……はい。マジ反省してます。ゴメンナサイ、奈緒サマ。」



でもそんな優斗目の前にいつまでもプリプリしてるほど怒ってない。



「サマって……ぷっ…くくくっ…」



「あっ!奈緒ちゃんが笑ったー!さっすが、チャッピー!…いやいや、優斗くんもよく頑張ったよ。」



「アハハハ…」



チャッピーと話す優斗がなんだか可愛くて、可笑しくて…怒りを通り越し笑いが込み上げてきたあたしは、優斗の肩にポスンと頭を預けると、クスクスと小さく笑い続けた。