「えー! 七夕だっていうのに雨って最悪」


ヒカリは窓から身を乗り出して残念そうに口を尖らせた。


「ヒカリ。そう…やって、身を乗り出すと…濡れる」


オレはそう言いながらもヒカリが濡れないように窓を閉めた。


「ライト君はこの雨見て残念だと思わないの?
織姫と彦星が年に一度しか会えない日に雨で会えないって思うと嫌だ」


なんだ。星が見えないのが残念じゃないのか。


「ヒカリらしい、考え…だな」


オレは軽くヒカリの頭を撫でた。


「だって、あたしだったら一年に一度なんかじゃ足りないのに我慢するなんて無理だもん」


ヒカリは織姫と彦星をオレらに見立てて拗ねてたんだ。
本当にヒカリと居ても飽きないよ。



「オレはそんな簡単にヒカリの側から離れない」


オレはそうヒカリに呟いた。



そう。オレがヒカリから離れられないんだ。
それほどオレはヒカリが好きなんだ。



オレの隣では顔を真っ赤にしたヒカリがいた。