「だぁぁ。もう! なんであたしばかり追いかけられにゃぁならんのさ!」


ヒカリはそう叫びながらも物凄いスピードで走っていた。


それはもう目には見えないくらいのスピードで。


なぜ、ヒカリが走って逃げているのかは今からの一時間前までさかのぼる。





「そういえば、白原さんって体育祭で走ってる時に理事長が能力を見極めたんだよね? タイムってどれくらいなの?」


食堂で朝ごはんを食べてる時にミズノがなんの気なしでヒカリに聞いてきた。


「さぁ? あたし。タイム測る時は本気で走ったことないから詳しくは分からないんだよね」


ヒカリは朝ごはんであるサラダを口に含みながら興味なさげに答えた。


「そうなんだ。だったらご飯食べたら皆で鬼ごっこしない?
ただの鬼ごっこじゃなくて俺達四人が鬼で白原さん一人が鬼から逃げるってルールでさ」


「ハァ!?」


そう叫びながらヒカリは口に含もうとしてたサラダがポロリと溢れた。