「あれ…琴。顔赤いよ?」

急に呼び捨てにされて、トクンと心臓が波打つ。


「きっ…気のせいだよっ」

私は赤く染まった顔を隠すように、琉太から目をそらして手で顔を覆った。


「気のせいなんかじゃ、ないよ。」

琉太はそう言ったかと思えば、スッと私に手を伸ばした。

「えっ…」
「手、外して?」


…えぇ!?


ちょ、ちょっと待って!


ここは教室で…

生徒もそれなりにいて…


なのに、なのに…


琉太は躊躇いもなく、周りの目も気にせず、私の顔に自分の手を当てていた。

「ちょ…琉太く…」
「琉太、でしょ?」


うぅ…

まだ慣れないよ。