そっと目を開けると、そこには…


私の瞼に手を当てる…

さっきより柔らかく笑う琉太く…琉太がいた。

「よくできました」

そして…


「ふあっ…」

溶けるような、甘い甘いキスをくれたんだ。


唇が離れた後、裏王子のままの琉太はフッと笑った。

「…そんなに目ぇ潤ませてさ…―」
「ふぇ?」
「やっぱり初めてだったんね、キス」
「…!?」

私は顔が一気に熱くなる。

は、初めてって。

…なんだ、キスかぁ。


「あれ?琴。もしかして、違う意味にとらえてた??」

悪戯っぽく笑う琉太。

「なっ…ち、違うよ!!」

その言葉に私は顔を真っ赤にさせながら答えた。



これが…

2人の恋の始まり。


ほんのり、甘酸っぱい香りがした。