NEXT STEP

その帰り道。

私は日向先生に送ってもらっている。


「西口先生。」


「はい?」


私は隣を歩く日向先生を見上げた。



「先生は今、本当にフリーですか?」


何で敬語?


「本当ですよ?」



「‥。」



先生は真っ直ぐ前を見たまま何も言わない。




「日向先生こそ、フリーって聞きましたけど。」



「俺も本当。」



そう言って立ち止まり私を見下ろした。



「っ‥先生?」



私も立ち止まり、日向先生を見上げた。