NEXT STEP

振り返ると上矢くんが私の腕を引いていた。



「っ!」



上矢くんは私の方を見ずに歩く。



私はただついて行った。




体育館裏に来たところで止まった。




「上矢くん…。ゆっ優勝おめでと。」



「…。」




上矢くんは無表情のまま私を見つめた。




「上矢くん?」



「先生。俺にしろよ。」



「っ‥!」



私たちは見つめ合った。



今すぐにでも上矢くんに飛び込みたいよ。



でもまだ日向先生に言えてない。






「梨音‥。俺見てらんない。」



そう言って私の頬を優しく撫でる上矢くん。




「…。」





何て言っていいのかわからない。




日向先生に別れを告げないまま、上矢くんに飛び込むことは自分が納得しない。





こんなにすぐ近くにいるのに。




まだ手が届かない。





「梨音、一緒に帰ろう。待ってて。着替えてくるから。」




「…うん。」




上矢くんは歩いていく。



私はその場にしゃがみ込んだ。