龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】

会場に着いて個展の関係者と会ううちに、僕は次第に苛立ってきた。


とにかく、志鶴を見る目が気に入らない。


いい年をした大人の男が、よだれをたらさんばかりに志鶴に見入る。

僕が横にいなかったら、志鶴の肌に間違いなく手を触れていただろう。



「まあ、志鶴ちゃん、やっぱりそのドレス似合うわ」


そう言いながら近づいてきた安西女史に、僕は不機嫌に挨拶をした。


「安西さん、似合いすぎて悪い虫を追い払うのに苦労するよ」