教室にやってきた。
ドアは開いている。

入り口近くに溜まっている奴等に
ぶつからないように注意しよう。


僕の席は、一番真ん中の一番前の席。
サボれないから不人気な場所だ。

くじで決めたのだけど、
本当に僕は運が無い。


……椅子を引くのは
流石に気づかれるだろうから、
とりあえず机に座ってみた。

誰も、話すのにもこの席は使っていないし



――教室に居る人を見回す。

今の所誰も、僕の名前は持っていない。


もしかすると、
嫌いとも思われない、
存在さえ目に入っていないのかもしれない

そうだとしても何ら
おかしくはないだろう。


どうせ誰も、ノリが悪くてつまらない、
無口な人間に興味なんて持たない。
そんなの百も承知だ。