「その変なフィルターはさ、 俺も頑張るから、 一緒に取っ払っていこうね」 未だ毛布を被せられたまま、 僕は野宮に抱きしめられていた。 ……何を頑張るんだ? まあ、どうにかなればいい。 とりあえず、 野宮の前から消えれない事だけは分かった 透明だろうが何だろうが、 きっと何も変わらない。 いつも僕を見ているらしい。 それなら別に、 他の人から見えていなくてもいいか。 そう思った。