「誰でもお金を払ったら大丈夫、ってな事じゃなくて、条件があるみたいだよ」

「条件って?」

「王子が何を基準にするか分からないけど、王子が気に入った人じゃないとダメみたいよ」

「やっぱりそれって顔とかスタイルが良い人とかかなぁ」

「どーだか…」

「お金っていくらくらい払うのかなぁ?」

「あれー?アンタ、王子に相手してもらえると思ってんの?」

「そんなんじゃなくてっ」

自分でも分かっていた。

王子と私は一生会話も出来ないままなんだろう。

相手にしてもらえるわけがない。

「でも、気になる」

「値段は王子が自分で決めるらしいよ」

きっと高いんだろうな。

でも、あんなカッコイイ人を少しの間だけでも彼氏と呼べたら、値段が高くても良いかもしれない。

夢を見ているような気分になれるんだろうな。

『優衣』

なんて呼ばちゃった時には…

「キャ~/////」

妄想して照れてみたり。