結局、理菜が須藤さんの顔見たいって騒ぎまくって、須藤さんを探す事になった。

放課後に校内をウロウロする。

「何にもさぁ、3年生の下駄箱の所で待ってれば良くない?」

無駄にウロウロしてるのも疲れて理菜に言った。

「だってさ、思いっきり人探してます的に見られて恥ずかしいじゃん」

「イヤ、誰も見てないと思うけど…」

私の言う事は無視される。

理菜の自己チューは相変わらず。

「ねぇ、もう多分帰ったよ。私達も帰ろうよぉ」

理菜は渋々了解してくれた。

やっと帰れる。

バックを取りに教室に戻った。

教室から見える校庭のグラウンド。

何やら、誰かを囲んで女子が騒いでいる。

「理菜、見てよ」

「ん?」

「あれあれ」

「あぁ。王子じゃない?」

王子…。

私が生まれて初めてカッコイイと思った人。

勝手に王子と呼んでいた。

王子は人気者で、いつも女子に囲まれている。

私もその一人になりたいと前から思っていた。