…騙された…。
「まいど~。じゃあな」
純也さんはクスクス笑いながら大きく手を振って去ってしまった。
なんでお金払ってんの!?
しっかりしろ!私!
男の人に甘い言葉なんて言われた事ないし、まして、チュ、チューなんてされた事なくて、免疫がないから、ついつい言う事を聞いてしまう。
私の弱点だな…。
額に手をあてると、かすかに唇の感触を思い出す。
ほわぁ~。
あんなカッコイイ人にチューされちゃった。
ハッ!
ダメダメ!
しっかりしなきゃダメよ!
でも…。ポワ~ん。
ダメダメ!
顔が赤くなったり、現実に戻そうとしたりで、顔をブンブン振った。
これからも純也さんに振り回されたりして…。
これから起こる出来事に不安を募らせた。


