それから数日過ぎたある日の出来事だった―…

理菜が風邪で早退して、帰りの電車の時間までヒマだから、一人で図書室に向かった。

たまには本でも読もうと思って。

図書室に入ると、数人がいたけど静かだった。

格闘技の本ないかウロウロする。

プロレスの本はないわけ?

ボクシングでも良いけど…

本を探していたら、突然、

「本、好きなの?」

話し掛けられて、ビックリして、振り向くと、そこには須藤さんがいた。

「あ、須藤さん…」

「こんにちわ」

「こんにちわ…」

相変わらずの優しい笑顔。

「この間はありがとうございました。ちゃんと部屋に飾ってあります」

「それは良かった」

須藤さんの笑顔につられて、私も笑顔になってしまう。