「じゃあ、行こうか」

私との用事を済んだ須藤さんは王子に言った。

「須藤さん、ありがとうございます」

「いえいえ。またね」

須藤さんは優しい笑顔をした。

『バイバイ』

王子も私にイタズラっぽく言った。

「さっ、さよなら」

ガチガチな私。

須藤さんと王子の背中を見送る。

なかなか動けないで廊下に立っていると

「なに、王子?なんで? あれが須藤さん?」

どこかで見ていた理菜が興奮ぎみに話し掛けてきた。

「ビックリしたよぉ」

思わない展開に、半分泣きそうになる。

「須藤さんと王子は知り合いなんだね。ってか、須藤さんも悪くないじゃん。今度紹介しなさいよ!」

「うん…」

頭がついていかない。

貰ったプレゼントを見た。

中身はまだ見ていないけど、凄く凄く嬉しかった。

須藤さんからプレゼントを貰った事。

王子と話せた事。

両方嬉しかった。