レイチェルも母の名を呟いてからずっと黙っている。 そして私の眼を見ている。 きっと私が今、何を考えているのか、これからどうすべきなのか……レイチェルは全て理解しているのかもしれない。 レイチェルはひねくれた私よりずっと素直だから。 「……レイチェル」 「ハルエは女手ひとつでナツコの面倒を見てきたニャ。今も、そしてこれからも」 まず、レイチェルは壊すつもりなのだ。 私が作ってしまった、この惨めな檻を。