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祭り囃子が遠くに聞こえる。


このシチュエーションは昨日まことは経験済みだ。


遠くにぼんやり浮かぶ祭りの会場は、なんだか別世界の入口の様に見えてなんだか幻想的だった。


「少し、大きく成ったんじゃないか、この木」


秀介は上を見上げてそう言ったが、私には何の変化も感じられなかった。


この大きさの木が、たった四年で目に見えて分るほど大きくなるとは思えない。