「はぁーー…。」
今日、最大のため息が出た。
そして、ため息をする度に思い出す。
"私の前でため息つかないでよ。"
俺がため息をつく度にそう言ってたのは、紛れもねぇ瑞季。
そして、その言葉を待っていてわざとため息をついてた。
だけど今、ため息を何度ついてもそう言ってくれる人が居ねぇ。
瑞季のあの声が、聞きてぇ。
トボトボと階段を登る。
精神的に弱ってんのに階段登るなんて最悪だ。
力が入らねぇ足を無理やり動かす。
そして、最後の一段を登って
はぁ…。
無意識にため息をつく。
「…私の前でため息つかないでよ。幸せ逃げるよ?」
幻聴かと、思った。
「…瑞季?」
「瑞季だけど。」
驚いて顔を上げると瑞季が膝を抱えてドアの前に座っていて。
「み、ずき…。」
「何よ、その化け物を見たかのような目は。」
懐かしくて、涙が出た。

