つぅーか、中村の事苦手なんだな。
意外。
俺は目の前に座っている中村を見る。
中村って顔もぃぃし、性格は少し強引だけど基本は優しいし、
スポーツはできるし、頭もぃぃし、背も高いし。
悪い処なんてねぇと思うんだけど。
「二人、付き合ってんの?」
「え「そうよ。」」
っ!?
えぇ。と左隣に居る遠藤を見る。
すると遠藤は視線を一瞬だけ俺に向けて、ニコッと愛想良く笑った。
…その笑みが怖ぇ。
「何だよ、好きな奴ってソイツの事かよ。」
「好きな奴じゃなくて、彼氏。」
中村の言葉を少し低い声で訂正する遠藤に、中村は面白くねぇというような顔をした。
「まぁ、彼氏に飽きたら俺んとこ来いよ。」
「ごめんなさい。遠藤の事、ずっと好きと思う。」
「そんな事言えんのは今だけさ。」
中村はそう言って俺を軽く睨んで去っていった。
何だったんだ。
「はぁ。」
すぐ横でため息が聞こえたと思ったら
「遠藤、ため息つきてぇのは俺だ。」
遠藤がやれやれ。みたいな顔をして手でこめかみを押さえていた。

