どうしょうもねぇくれぇ、好き。






  *  *  *





「今日は騒ごうぜぇ!」





金の色をした短髪の男がそう言って右手に持っていたビールを高く、上に掲げる。



「「「「「おぉー!」」」」」




すると、ワンテンポ遅れてその掛け声に負けないぐらいの声で周りの奴等がビールを上に高く上げ、叫んだ。




…何が


"今日は騒ごうぜぇ!"


だ。




騒いでも楽しい事なんて、何もないのに。




俺は周りの奴等に気付かれないように小さく、息を吐く。




…つまんねぇ。




周りの奴等はキャーキャー言って男と女で盛り上がっている。




…まるで合コンだな。




「遠藤ー?なーにため息なんかついてんの?幸せ逃げちゃうよー?」




俺の顔をニヤニヤと笑いながら覗き込む俺の視界に入ってくる女は確か…――――






俺と同じ名字の遠藤だった気がする。