そんな事を思いながら長原をジッと見る俺を見て、長原はフッと静かに笑う。




「んだよ。」




喧嘩うってるように笑ってんじゃねぇよ。




そんな意味を込めて長原を睨む。




つぅーか本当に歯が白いな、お前。



日頃何してんのかそろそろ教えろや。




「まぁまぁ、睨むなよ。俺で良かったら話聞くけど?」




少しだけ長い横髪を耳に掛けながら机に腰掛ける長原。



コイツの独特な雰囲気を見て、やっぱりモテる奴は違うな。と思った。




…俺なんてカッコよくもねぇし、背なんて高い方でもねぇ。



家事とテニスぐらいしか出来ねぇ俺を選んでくれる奴なんて

少し考えてみれば居ねぇって事ぐらい分かる事だ。



何を勘違いしてたんだろう。




考えなくてももう答えは分かってたんじゃねぇのか。




悲しい気持ちが俺の心を支配する。



恋ってこんなに苦しいんだな。