「瑞…季。」




隣に寝ている瑞季に、触れたくて



手を伸ばす。




でも、その手は決まって瑞季の肌に触れる直前で




「…っ、」




止まってしまう。




苦しい。



好きなのに。



…好き、だからこんなに苦しいのか。




俺の方に向いて気持ち良さそうに寝ている瑞季を見つめる。




首筋に何ヵ所も俺が付けたキスマークが見える。



今まで俺は瑞季にキスマークは付けなかった。



だって、付き合ってねぇのにキスマークなんて付けられたら困るだろうから。



だからキスマークは付けなかったのに。


昨日、瑞季にあんな事を言われて他の男ともそんな事をしてるのかと思ったら腹が立って。


瑞季を誰にも渡さねぇという気持ちでキスマークを付けた。



今更俺のものだって示しても意味ねぇのに。





ジッと瑞季の首筋に付いたキスマークを見つめる。