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「ねぇねぇ、あれなぁに~?」



「チューリップだよ、瑞奈(ミズナ)。」



「チューリップ~?」



「そう、チューリップ。」



「ふぅ~ん。きれいだね!」




瑞奈が俺の手を引いてチューリップに近寄る。



そんな瑞奈の様子を見ながら微笑ましく思う。




「えいっ!」



「あ、みず「瑞奈~?」」




俺がボーとした間に瑞奈がチューリップをひっこ抜いた。


球根ごと…。

こんな小さい体から球根ごと抜けるような力があるんだな、と感心する。



でも、そんな事を思っている場合じゃねぇと我に返って瑞奈に注意しようと思ったが、時は既に遅く。




瑞季の怒った声が聞こえてきて、瑞奈は俺の後ろにサササッと素早く隠れた。